Vol.0532022.8
「音楽レクリエーション
~あのキラキラした目に出会いたくて~」
職種:
薬剤師
勤続年数:
3年

「歌の先生ー!」老健に上がると、利用者さんからは、こう声をかけられます。

私は薬剤師ですが、週に1回30分だけ、老健で音楽レクリエーションをやらせていただいています。

もともとは私の弾く電子ピアノに合わせて、利用者さんに文部省唱歌や昭和の流行歌、有名な外国の歌などを歌っていただく形をとっていました。利用者さんがキラキラした目で楽しそうに歌われる(中には涙される)姿に、私の方がエネルギーをいただいていました。

それがコロナ禍になり、歌うことでの飛沫飛散を懸念し、音楽レクは休止を告げられました。

利用者さんから、「今度は、いつやるの?」と聞かれるたび、申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、今年6月、1年以上ぶりに再開できることになりました。「利用者さんには歌っていただかない」という条件付きでの再開です。

利用者さんが歌うことを楽しんでおられるのはわかっていましたので、「歌わなくても楽しい音楽レク」を目指し、内容を大幅に変更しました。

「瀬戸の花嫁」など、今までは歌いながら振りをつけていただいていた曲は、「私が皆さんの分も歌いますね-!」と、ひとり大声で歌って、利用者さんには振りに専念していただいたり、新たに振りつきの曲を考えて、それをやっていただいたり、生伴奏でラジオ体操をしていただいたり、たまには弾き語りを聴いていただいたり、まだまだ試行錯誤ですが、最後はこの曲と決めている「故郷」を歌い終わると、大きな拍手と「楽しかった-!」の声に包まれることがあります。この時の感動は、薬局に戻るエレベーターの中だけでは鎮まりません。