Vol.0212019.07
「当院のガーデンでの屋外活動を通して」
職種:
作業療法士
勤続年数:
2年

回復期での作業療法にあたり、重度の認知症により会話も成り立たない患者さんの訓練を担当することがありました。指示理解も困難であり、その方との接し方やアプローチに悩むことがありました。

ある日の介入中、当院にあるガーデンに出ると、表情が穏やかになり、自分の事を話し始めて頂けたり、会話が成り立つ場面がありました。当院のガーデンは季節を感じられるように四季折々の沢山の花や果物や植えられています。
柿の木を見ながら「小さい頃よく食べたよ」、白い花を見て「きれいだね」などの発言があり、その後の関わりもスムーズに実施することができました。

入院している方はなかなか屋外へ出る機会が少ないと思います。しかし、屋外に出て太陽の光を浴びたり自然を感じる事によって、意識障害のある方が開眼したり、自発的な活動が見られなかった方が自ら体を動かしたりする場面に出会うこともありました。

こういった素晴らしい環境を活用して、患者さんの潜在能力や「その人らしさ」を引き出せるような介入をこれからもしていきたいと思います。