Vol.0132018.10
「食事を通じたコミュニケーションで感じた
仕事のやりがい」
職種:
言語聴覚士
勤続年数:
2年

今回、日常動作は全介助レベル、気管切開と遷延性意識障害により意志表出は困難である方を担当することとなりました。

重症の患者さんであり、退院時までに全身状態や心身機能に顕著な改善を図ることは困難で、嚥下もゼリーや水分によるお楽しみレベルの経口摂取に留まっていました。3食経口摂取には至らず、セラピストとして力不足を感じていました。しかし、リハビリの経過をみられていたご家族が、「少しでも食べられるようになってよかった。『飲み込んで』というと飲むし、こっちの言っていることもなんとなくわかっているような気がする。」と言ってくださいました。

言葉を介してのコミュニケーションは困難な患者であったが、本人と家族が“食べる”“食べさせる”という食事活動を通じてつながりを実感することができ、コミュニケーションやQOLの向上が図れたのではと思いました。この経験を通じて、食事の意味を改めて考えるきっかけとなった。必要栄養量を確保するだけでない食事とコミュニケーションの役割を教えて頂いた様に思います。今後のSTとしてのやりがいが更に高まりました。